車を購入したら、定期的に課せられる費用があります。その最も大きなものとして、車検が挙げられます。常々、車検に組み込まれているさまざまな料金に対して「高い」や「必要ない」などという声が上がっています。
そもそも「車検」とはどのようなもので、いくらぐらいの費用が相場なのでしょうか。今回は車検費用の相場を紹介し、車検を安く抑える方法について解説します。
車検代の内訳と費用

車検のときに支払うものとして、「車検代」という決まったものはありません。税金として国に支払うものと、車検を行う業者に支払う料金を合計したものが「車検代」です。この「車検代」の内訳は、どのようになっているのでしょうか。
国に支払う公的費用
「車検代」のうち、国に支払うものには次のものがあります。この金額は、すでに国によって定められているので、割引されることはありません。
- 重量税
- 自賠責保険
- 印紙税
重量税は、自家用や営業用などの自動車の区分や、重量、経過年数に応じて課せられる税金です。2021年4月30日までは、エコカー減税が適用されている場合は免税になります。車種や年数により価格が違い、5,000円~75,600円とかなりの幅があります。
自賠責保険は、自動車を使用する者は、必ず加入しなければならない損害保険です。保険の加入期間は、1カ月~37カ月の間で、1カ月ごとに選択できます。わずかですが軽自動車だと保険料を安く抑えられます。
印紙税は、検査結果を届け出るための費用で検査手数料ともいいいます。車種によりますが、1,100円~1,800円かかります。
業者に支払う費用
車検を行った業者に支払う費用は、一般的に「基本料」として請求されます。車検の価格の違いは、業者に支払うこの基本料の違いからきています。
基本料として、検査料や各手数料、部品交換やオイル交換・補充などを、込みにしている業者もあれば、部品交換などはすべて別料金として請求している業者もあります。そのため、基本料だけで安いかどうかを判断することは、難しいでしょう。
車検の相場料金

車検代金は、技術や車検内容をはじめ、それぞれの業者によっても違いがあります。
ディーラー
ディーラーでは、各自動車メーカーに併設されている整備工場などで行うため、より精密な検査をします。そのため車検代金としては、ほかの業者に比べると高いことが一般的です。
ただし、すべてのディーラーに整備工場があるわけではなく、依頼したディーラーに整備工場がない場合は、ほかへ持ち込みで車検を行います。そのため、車検に数日かかる場合もあります。ディーラーでの車検代金は、一般的に70,000円から12万円が相場となっています。
整備工場
整備工場では、車検ではなく、故障車のメンテナンスなども行っているため、専門性や信頼性が高いです。また、車検の点検だけではなく、整備なども一つの場所で行うので、修理したい箇所があった場合は、ほかの業者よりも手間がかかりません。整備工場での車検代金の相場は、60,000円~12万円です。
カー用品店・ガソリンスタンド
大手のカー用品店やガソリンスタンなどは、整備工場を併設している場合が多いのため、普段利用している所で車検の申し込みができ、手間もかからなく便利です。また、それぞれにお得なプランも用意しています。費用はプランにもよりますが、50,000円~80,000円が相場となっています。
車検専門業者
車検を専門に仲介している業者の場合、直接整備工場を持っている所と、ほかの会社に委託している場合があります。そのため、車種によっては半日から数日かかる場合もあります。専門業者の車検代の相場は、50,000~80,000円です。
車検を安く抑える方法

車検代を安く抑えられる業者を探すのもいいですが、実はもっと安くなる方法もあります。
ユーザー車検を行う
最も安い車検は、やはり「ユーザー車検」でしょう。ユーザー車検は、車の所有者自ら点検・整備をする方法で、あらかじめ定められた検査項目に従って検査を受けます。各都道府県の運輸支局に車を持ち込み、検査を受けます。
検査自体は無料ですが、検査前に予備検査場で、予備検査を有料で受けられます。予備検査に通れば、本検査もスムーズに合格し、手続きの手間が少なくなります。なお、本検査は原則無料ですが、2回目以降は手数料がかかります。
ユーザー車検を行えば、通常業者に支払う手数料はかからないので、国に支払う税金などだけで済みます。重量1tのエコカー(50%減税)の場合、車検場に支払う代金は次のようになります。
車検費用=7,500円(重量税)+25,830円(自賠責保険・24カ月契約)+1,700円(検査手数料)=35,030円 |
業者に依頼して車検を行うと、車検基本料が別途かかり、業者ごとに金額が違います。参考までに、業者ごとの車検基本料を表にします。
業者 | 車検基本料の相場 |
ディーラー | 40,000~50,000円 |
整備工場 | 20,000~30,000円 |
カー用品店 | 20,000~30,000円 |
ガソリンスタンド | 10,000~25,000円 |
つまり、ディーラーで車検をすると、最高で40,000円多くかかってしまいます。
35,030円 + 40,000円 = 75,030円 |
この金額は、部品交換など一切ない場合の金額なので、別途修理などを行うと、さらに代金がかさむことになります。このように、最低限の費用で済むユーザー車検ですが、初心者には手続きが難しく手間がかかります。そのため、車の知識があまりない人にはおすすめできません。
サービスを利用する
業者によって、車検代に違いがあるほかにも、各業者が打ち出しているサービスを利用すると、さらに安くなる可能性があります。また、最近では、業者ごとの強みを生かしたサービスを設けている所も増えています。
例えば、カー用品店では、店限定のクーポン券や次回の車検代金を割り引くなどのサービスを付帯しているところも。またガソリンスタンドでは、車検申込み者にガソリン代を安く提供するサービスを、行っていたりします。
自分でメンテナンス
いずれの方法でも、車検代を節約するのには限界があります。そこで、自ら節約できる方法をお伝えします。それは、普段から車のメンテナンスをきちんと行うことです。
ライトやバッテリー、タイヤなどのチェック、できればエンジン部分のチェックも日常的に行うことで、車検時の部品交換などが省かれ、その分の費用が節約できます。
車検が面倒なら買い替えを

車検はお金も手間もかかり、一度だけではなく、その都度お金が必要になります。車検は、車を持つ人の義務なので、避けられません。どうしても同じ車に乗り続けたいのであれば、車検は一生ついて回ります。しかも車が大きければ大きいほど、車検代も高くなります。
買い替えも安く抑えたい
車検前の車を売るといっても、できるだけ好条件で売りたいものです。しかし、タイミングが悪ければ、予想以上に安くなる可能性もあります。だからといって、ずるずると機会を狙っていると、車検の時期が来てしまいます。
車検の前に買い替えると決めているなら、早めに売却価格の相場を調べておくとよいでしょう。また、実際に複数の業者に、査定を依頼してみるとよいです。その際には、一度に複数の業者に査定依頼ができる方法があります。「カーネクスト」は、全国1000社以上の自動車関連会社と提携を結んでいて、査定も無料で一括依頼ができます。
参考:カーネクスト
多くの情報を得て車検業者選びをしよう

車検は国が定めた法的な義務であり、ほとんどの人は「どこに頼んでも料金はほとんど同じ」と思っているかもしれませんが、実は業者によってかなりの違いがあるのです。さらに、提示される諸経費以外にもお得なサービスが付帯される場合も、多くみられるようになりました。
このような「お得」情報は、自ら収集することが大切です。その最も簡単な方法は、できるだけ多くの業者から見積もりをとることです。その際、一度に複数の業者の見積もり依頼できるサイトを上手に活用し、車検が安く済むお得な業者を探しましょう。
各都道府県での車検のいろは
各都道府県での車検に関する情報をまとめました。ぜひ参考にしてみてください。
北海道 青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県 茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県 東京都 千葉県 神奈川県 新潟県 富山県 石川県 福井県 山梨県 長野県 岐阜県 静岡県 愛知県 三重県 滋賀県 京都府 兵庫県 大阪府 奈良県 和歌山県 鳥取県 島根県 岡山県 広島県 山口県 徳島県 香川県 愛媛県 高知県 福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県 沖縄県