新車として登録されて以降は、2年に一度のタイミングで車検を受けることが義務づけられています。年式が古ければ、部品の劣化によって交換する箇所が増え、車検費用も高くなる傾向にあります。
また、車検と同時に納付しなければならない自動車重量税は、13年と18年を機にアップします。そのため、今後の維持費を考慮すると、買い替えを検討したほうがよい場合もあります。ここでは、車検9年目の点検内容や費用について、解説していきます。
基本的な車検の内容
車検は、法律で定められた検査をクリアすることが条件となっており、その内容は省けません。また、車検は自分で検査を行うユーザー車検だけでなく、ディーラーなどに代行を依頼して受けられます。
日本の公道を走るための検査
通称では「車検」と呼ばれていますが、正式名称は「自動車検査登録制度」といい、日本の公道を走行するために必要不可欠な検査です。車検では、国土交通省が定める検査が行われ、保安基準に適合しているかどうかがポイントです。
保安基準に適合していない場合は、整備後に再度検査を受けられますが、車検に通るまでは公道を走行できません。万が一、車検切れのまま公道を走行した際には、罰則が設けられているので注意が必要です。
かかる費用は3つに分かれる
車検にかかる費用は、車種や年式などによって異なりますが、法定費用、車検基本費用、部品交換費用の3つに区分されています。
法定費用
法定費用には自動車重量税、自賠責保険、検査手数料が含まれており、どこで車検を受けても費用は同額です。
車検基本費用
車検基本費用には定期点検料、測定検査料、代行手数料が含まれており、車検を受ける場所によって費用が異なります。
部品交換費用
部品交換費用は、タイヤやブレーキパッドなどを点検した結果、追加の整備が必要な際にかかる費用です。交換する部品によって費用が異なり、タイややエンジンの交換が必要な場合には、高額になります。
年式が古い場合や車の状態が悪い場合は、交換する部品が増えることで、車検費用も高くなる傾向にあります。一方で、年式が新しい場合や車の状態がよい場合は、交換する部品も最小限に抑えられるため、車検費用が安く済みます。
車体別の費用の相場
このように、車検では軽自動車では70,000円弱、コンパクトカーでは90,000円前後、2,000ccクラスの普通車では10万円前後の費用がかかります。エンジンの載せ替えが必要になった場合には、エンジン本体の費用に加えて作業工賃がかかるため、少なくても50万円程度の費用が必要だといわれています。
車種 | 法定費用 | 車検基本費用 | 車検費用の相場 |
---|---|---|---|
軽自動車 | 33,070円 | 34,020円 | 67,090円 |
コンパクトカー 1,500ccクラス | 41,930円~51,530円 | 43,200円 | 85,130円~94,730円 |
普通車 2,000ccクラス | 46,930円~59,730円 | 47,520円~50,760円 | 94,450円~11万490円 |
車検をしてもらう場所による
車の寿命は、年式で見ると10年程度、走行距離で見ると10万kmが目安といわれていますが、車の使用頻度によっても劣化具合が異なるため、一概にはいえません。
9年目の車検となると、部品の交換が必要な箇所が増える可能性もあり、車検費用が高額になるのではと不安になりがちです。しかし、法定費用についてはどこで車検を受けても一律ですが、その他の費用は車検を受ける場所によって異なるため、複数の業者に見積もりを依頼するとよいでしょう。
車検を受け付けている場所は、ディーラーや大手カー用品店、ガソリンスタンド、格安車検店などが挙げられます。このほかには、自分で点検を行うユーザー車検も選択肢の一つです。
業者 | 軽自動車 | コンパクトカー 1,500ccクラス | 普通車 2,000ccクラス |
---|---|---|---|
ディーラー | 約70,000円 | 約10万円 | 約11万円 |
大手カー用品店 | 約45,000円 | 約65,000円 | 約75,000円 |
ガソリンスタンド | 約45,000円 | 約60,000円 | 約75,000円 |
格安車検店 | 46,810円 | 65,470円~65,670円 | 73,670円~73,870円 |
ユーザー車検 | 31,470円 | 29,640円~54,240円 | 29,640円~62,440円 |
この表を見ると、高度な専門知識や技術面でも安心なディーラーでは、他業者よりも車検費用が高いことがわかります。車検費用を左右するのは、業者ごとに設定できる車検基本費用であるため、このように業者によって費用に差が生じています。
また、近年では環境性能に優れた車種の場合、エコカー減税が適用されるため、車種によっては自動車重量税が異なります。手続きや点検を全て自分で行うユーザー車検は、法定費用のみの支払いでよいため、最も安く済むことがわかります。
車検9年目のポイント
車検9年目というと、新車として登録されてから4度目になります。自動車重量税がアップする13年には及びませんが、車の使用状況によって、劣化部分が生じやすいタイミングだといえるでしょう。
部品交換費用が高い可能性あり
車の部位によって、部品の交換時期は異なりますが、交換費用に10,000円程度かかるバッテリーは、3~5年毎の交換が目安だといわれています。また、交換費用に50,000円以上かかる、タイミングベルトやオルタネーターブラシは、走行距離10~15万km毎に交換が必要です。そのため、高額な費用がかかる部品の交換時期が重なれば、当然ながら車検費用は高くなります。
タイヤの交換時期は、溝の深さを目安にするケースもありますが、5年毎の交換が望ましいといわれており、交換費用は40,000円~と高額です。このほかにも、クラッチやウォーターポンプの交換費用も、他部位に比べると高額なため、日頃のメンテナンスが大切です。
10年目以降の税金が高くなる
車検を受けるタイミングは、新車登録から3年で一度目、それ以降は2年に一度受けることが義務づけられています。10年目以降は、これまでと同様に2年に一度と変わりませんが、自動車税と自動車重量税がアップします。
1,500ccクラスの普通車の場合、通常の自動車税は34,500円ですが、13年を経過すると39,600円と5,000円程度アップします。2,000ccクラスの普通車では、39,500円から45,400円にアップし、こちらは6,000程度アップします。
また、車検と同時に納付する自動車重量税は、13年と18年というタイミングで税金がアップします。1,500クラスの普通車では24,600円から34,200円に、2,000ccクラスの普通車では32,800円から45,600円と、10,000円程度アップします。
車検費用を安く抑えるコツ
車検を受ける際には、ディーラーや格安車検店に依頼する人が多い傾向にあります。しかし、車検基本費用は業者毎に設定できるため、費用は高額になりやすいといえるでしょう。このような場合、ユーザー車検を利用するとお得です。
ユーザー車検で受ける
ユーザー車検とは、管轄の運輸支局にて自分で手続きや点検を行う方法です。ディーラーなどに車検を依頼した場合、手続きなどの全てを代行してもらえるので面倒はありません。一方ユーザー車検は、全て自分で行う必要があるので面倒に感じてしまいがちです。しかし、法定費用のみの負担でよいため、どの業者に依頼するよりも車検費用を安く抑えられます。
ただし、ユーザー車検を受けられるのは、運輸支局が受け付けている平日のみのため、勤務先によっては有給休暇を使うなど、時間の調整が必要です。
複数の業者から見積もりを取る
車検費用のうち、車検基本費用は業者ごとに設定できるため、業者によって費用に差が生じます。そのため、最初から一つの業者に絞るのではなく、複数の業者に見積もりを依頼することをおすすめします。
また、業者によっては、早期予約割引や会員割引などのサービスを行っているため、お得に車検が受けられる可能性もあります。インターネット上にある「一括見積もりサイト」を利用すると、複数社に一括で見積もりを依頼できるので便利です。
整備が不要な部分は整備項目から外す
車検を受ける際には、作業に入る前に業者から見積書を提示されます。内容を見てもよくわからないからといって、全て任せてしまうのではなく、見積書の項目をきちんと確認してみましょう。
もしかしたら、整備や部品の交換が不要な項目が、入っている可能性もあるため、見積もりの時点で安全な走行に支障がない項目を外すことで、費用を抑えられます。
9年目の車検は買い替えを検討すべきと思ったら
車検にかかる費用や、日頃のメンテナンス費用を考慮すると、年式の新しい車に買い替えたほうが、安く済む可能性もあります。もし、9年目の車検で買い替えを検討するのであれば、買取専門業者を利用するとお得です。
車の資産価値があるのは6年程度まで
車の資産価値があるのは4~6年程度といわれており、中古車市場では、年式が古くなるほど資産価値は下落することが一般的です。年式が古くても、ヴィンテージ車や人気車種は価値があると判断されるケースもありますが、これは非常に稀なケースです。
従って、9年目を迎えた車の資産価値は、ほとんどゼロに近いことが現状です。この状態で買い取りに出しても、値が付かない可能性もあり、廃車処分するために手数料を請求される場合もあります。
処分すると考えたら廃車買取専門店へ相談を
車を買い替える際には、ディーラーなどに現在の車を下取りに出し、新たな車の購入価格から割り引いてもらうことが一般的です。しかし、ディーラーなどでは下取り価格が0円と査定される可能性が高いため、廃車買取専門店の利用をおすすめします。
廃車買取専門店では、どのような状態の車でも0円以上の価値を査定してくれる可能性が高く、万が一廃車となる場合でも、全ての手続きを請け負ってくれます。
おすすめはカーネクスト
多くの廃車買取業者が存在しますが、その中でもカーネクストがおすすめです。カーネクストは買取価格0円以上の保証が魅力の一つで、業界トップクラスのサービスを展開しています。
最寄りに店舗がない場合でも、全国どこでも対応してくれるので安心です。また、廃車手続きの代行費用も無料なため、余分な費用を請求されることもなく損はしません。
9年目は愛車の処分を考える時期かも
新車から9年目を迎える車に乗り続けている場合、車への愛着も並々ならないことでしょう。しかし、日常的な維持費やメンテナンスにかかるコストを考慮すると、思い切って年式の新しい車に買い替えたほうが、お得な場合もあります。
また10年を超えると、自動車税や自動車重量税がアップするタイミングに直面するため、9年目は買い替えを検討する絶好のタイミングかもしれません。