ディーラーと話をしていて「定期点検いかがですか?」といわれた経験がある人もいるでしょう。車検以外にも、定期点検を受けないといけないのでしょうか。
今回の記事では、車検と定期点検の明確な違いを明らかにしていきます。また、車検の受け方なども詳しく解説するので、事前に必要書類を用意して、適正に検査を受けるようにしましょう。
車検と定期点検の基本的な違い
まずは、車検と定期点検の基本的な違いから解説するので、その違いをしっかりと確認しておきましょう。
車検は国が定める検査
よく車の前面の窓に、年数と月が書いてあるステッカーが貼られていますが、青色のステッカーは次の車検の時期を示すものです。車検とは国が定める検査で、法定の56項目の検査を受けて、車が正常な状態であることを証明してもらいます。この検査を通さないと、車は公道を走れません。
エンジンなどの劣化による、排気ガス量の規制に引っかかっていないかどうかなどの基準をクリアし、自動車が一定の保安基準に適合しているかどうかを調べます。一方、必要以上の部品交換などは行わないことが通常で、この部分が定期点検とは大きく違う点です。
新車の場合には購入してから3年、それ以降の車は2年ごとに受ける義務があります。これは、証票(ステッカー)で確認できますし、多くは車検を受けた業者から、時期がくると事前に電話やハガキで連絡がきます。車検は絶対に受けなければならない義務であり、公道を走るうえで、必要最低限の車の性能を維持している証明でもあります。
定期点検は車の健康診断のようなもの
正式には「定期整備点検」といい、主な目的として車の故障を防ぎ、性能維持を図るために行う予防点検です。車検と同様に、次回点検時期も車の前面にステッカーとして貼られています。
これも、ステッカーの時期になると、点検することが義務付けられています。罰則はありませんが、車検のときに2年点検を確実に行った証明である「点検整備記録簿」の提示が必要になります。このステッカーに貼られている時期になると、「点検をそろそろ行っておいたほうがよい」という指針です。
定期点検は、専門的な機械の分解なども絡んでくるため、車を購入したディーラーや認定整備工場、指定整備工場に委託をします。定期点検に関しては、車を快適に走らせて故障を予防し、耐用年数を上げるために必要なので、車検とは別に必ず受けるようにしましょう。
整備工場などを併用している業者では、車検時に定期点検をしてくれるところもあります。別途料金がかかりますが、新車以外は同時に整備をしてもらう方法もあります。
車検の受け方
車検の受け方を細かく知っておきましょう。主に3つの種類があり、必要な書類もあるので不備なく用意したいです。
3種類の車検方法
車検には、以下の3種類の受け方があります。
車検の種類 詳細
整備付車検 ディーラーや自動車整備工場に依頼し、専門家がチェックして車検まで行う。
ユーザー車検 業者に依頼せず、自分で車を持ち込んで検査をして車検を通す。書類等も自分で行うので、かなり難しい。
車検代行 点検や整備は自分で行い、車検を行う検査場への車両の持ち込みや、書類の提出は業者が行う。
整備付き車検の場合には定期点検などもついてくるので、ベターなパターンです。車の整備は、それなりの専門知識が必要です。万が一故障したときに、しっかりと直してくれるのとくれないのとでは、大きな差があります。さらに、消耗部品等の交換も同時に行ってくれます。
一番難しいですが、費用は抑えられるのはユーザー車検です。書類から何から全部自分で揃えて、車の整備なども自分自身でやる必要があります。そのため、ユーザー車検ができる人は、車の専門知識がある人か、新しい車で定期点検をほかで済ませている車の所有者に限られます。
車の整備や機械の知識に一定の能力がある人は、車検の書類や手続きを代行してくれる車検代行がおすすめです。主に書類の作成費用と、検査場までの移動費や手間代だけで済みます。自分の知識や所有している車に合わせて、最適な方法を選択しましょう。
車検の必要書類
車検を受ける際には、以下の書類などが必要になります。
車検証
自動車損害賠償責任保険証明書(自賠責)
自動車納税証明書(継続検査用)
使用者の認印
またユーザー車検の場合には、さらに下記の書類も追加で必要になります。
自動車検査票
自動車重量税納付書
継続検査申請書
定期点検整備記録簿
ユーザー車検以外の場合は、基本的に車検証や自賠責保険証など、車に携帯している書類と、毎年送られてくる納税書の控えを証明書にしておけばよいので、特に難しいことはありません。
ユーザー車検の場合には、指定の用紙を国土交通省のホームページよりダウンロードします。自動車検査票、自動車重量税納付書、継続検査申請書は所定の箇所に記入して、印紙を貼り付けて用意しておきます。定期点検整備記録簿は、定期点検を受けた際にもらったものを保管しておきましょう。
車検にかかる費用
車検にかかる費用は、以下の通りです。
項目 費用項目 詳細 大よその金額
法定費用 自動車重量税 自動車の重量により変わる 20,000~50,000円程度(エコカーになるとこれより割安、古い車だどこれより割高)
自賠責保険 車の大きさによって変わる 24カ月普通車25,830円 –
検査手数料 車のナンバーによって変わる 保安基準適合証の提出がある自動車での継続検査で1,200円 –
車検基本費用(ユーザー車検の場合には必要ない) 24カ月定期点検料 業者によって変わる 20,000~50,000円
測定検査料 検査項目20項目からなる検査の費用 10,000円程度(車によって異なる) –
車検代行手数料 業者によって変わる 15,000円~30,000円程度 –
車検費用の内訳は、上記の表のように「法定費用」と「車検基本費用」に分けられています。法定費用は車が一緒なら、どの業者で車検を受けても同じ金額です。車検基本費用は業者によって異なり、ユーザー車検の場合には、こちらの費用は必要ありません。
見積もりのときにこれらの項目をチェックして、車検を受けるようにしましょう。また、整備付き車検の場合には、これ以外に整備費用や部品交換費用等が上乗せされます。
車検を受ける方法と流れ
車検を受ける際の流れは、以下の通りです。
手順 事前準備
1 検査項目と車の状態をチェック
2 必要書類と費用の準備
3 車検の予約
手順 当日
1 予備検査場にて最終調整
2 国土交通省運輸支局で用紙を入手し、作成
3 自動車重量税と検査手数料の支払い
4 自賠責保険の継続加入手続き
5 納税の確認
6 車検の受付
7 検査
8 車検証の交付
手続きは、事前に書類を用意し、運輸支局で用紙を入手して記入することと、それぞれの窓口で申し込みをすることだけです。ユーザー車検の場合には車の整備等も含め、事前の準備をしっかりとできるかが大きなカギになります。
車検を通すか買い替えか迷っている人は
車検を通すか買い替えるか迷っているとき、実は車の売りどきでもあります。その理由を詳しく解説します。
どちらがお得か考えよう
車検を通す場合と買い替える場合とでは、それぞれ以下のようなメリットとデメリットがあります。
車検を通すメリット 車検を通すデメリット 買い替えるメリット 買い替えるデメリット
・慣れている車に乗れる
・車検代以外に費用が掛からない ・古い車は車検代が高くなる
・車検や修理費用がかかる ・新しい車に乗れる
・車を買ってから車検まで時期があることが多い ・今の車が売れるかわからない
・場合によっては廃車費用を負担することも
上記以外にもありますが、これらの状態や自分の持っている車の状態を把握して、車検を通すか買い替えるかを考える必要があります。現在乗り替えたい車種がある場合や、古い車にデメリットを感じている場合には、買い替えを検討してみるとよいでしょう。
買い替える場合は最適な買取業者を選ぼう
買い替える際には、古い車を買い取ってくれる業者を選ぶとよいです。業者選定は非常に重要ですが、できるだけ古い車を高く買い取ってもらえる業者を探しましょう。カーネクストなら、0円以上の買取保証で、確実に新しい車の資金になります。販路も広いので、あなたの車を確実に次の人に手渡すことが可能です。
車検と定期点検は欠かさず受けよう
車検と定期点検には違いがありますが、両方とも車に欠かせないものです。安全に今の車に長く乗り続けるためには、どちらも受ける必要があります。自分で車検を行う場合にも、定期点検を専門家にしてもらうようにしましょう。
用意する書類や手続きなど、難しいことが多いですが、自分で車検を行えるだけの知識をつけるという意味で、一度ユーザー車検に挑戦してみてもよいかもしれません。また、車検の際の業者選びもきちんとして、割安で車検を受けてみましょう。