役所で戸籍謄本などの証明を請求する際、本人が手続きに行けない場合は本人の委任状が必要です。車検においては、ディーラーなどの販売店に代行を依頼する場合、基本的に委任状は不要です。
しかし、場合によっては車検の際にも委任状が必要なケースもあるので注意が必要です。この記事を読んで、車検で委任状が必要な場合や入手方法を参考にしてみてください。
車検で委任状が必要になる場合と注意点
車検は、業者に代行を依頼する方法とユーザー車検の2種類があります。どちらの方法を選択しても、車検証と自賠責保険証は必要となり、場合によっては自動車税納税証明書が必要です。委任状が必要になる場合には、以下のようなケースが挙げられます。
車検証を紛失した
車検証は、使用する車には必ず備え付けなければならないことが道路運送車両法によって義務づけられています。しかし、何らかの理由で車検証を紛失した場合は、再発行をしなければなりません。
車検を受ける際に車検証の紛失に気づき、代理人や業者に車検を依頼した場合、車の所有者本人の認印がある委任状が必要です。
車検証を紛失したままにしておくと、罰則が設けられているので注意が必要です。そのため、車検証は車検を受ける際に必要な書類の一つですが、これに限らず紛失に気づいた時点で速やかに再発行の手続きをしましょう。
カスタムで用途や重量が変更した
前回の車検から用途や重量の変更があった場合、通常の車検では通らないために「構造変更検査」を行う必要があります。車の幅や高さなどの構造変更できる箇所やパーツは決まっており、該当しない場合は違法車となるため車検は通りません。
このような構造変更検査が必要で代理人や業者に依頼した場合、車の所有者本人の認印がある委任状が必要となります。
ナンバープレートに破損がある
ナンバープレートの正式名称は、自動車登録番号と呼ばれており、登録された車一台一台に個別の番号や記号が割り振られています。事故などでナンバープレートを損傷したり汚損した場合は、再交付が必要です。
ナンバープレートに破損がある状態で代理人や業者に車検を依頼した場合、車の所有者本人の認印がある委任状が必要となります。なお、盗難などで紛失した場合も同様の手続きが必要です。
代理で車検をする場合は委任状は不要
車検は一定の頻度で受けることが義務づけられており、車検証に記載されている満了日の1カ月前から満了日まで受けることができます。このように1カ月間という期間が設けられているものの、車の使用者の状況によっては指定された期間内での車検が難しいケースもあります。
このような場合、家族や知人に代理でユーザー車検を受けることができますが、委任状は不要です。代理でユーザー車検を依頼する場合は、当日作成する書類の最下部付近にある受検者の代理欄に○をすればよいだけなので簡単です。
委任状の準備をする
重量変更やナンバープレートの破損が原因で車検の際に委任状が必要な場合、以下のような方法で書類の準備が必要です。委任状に記載する事項は少なく、時間を要するものではありません。
委任状はダウンロード可能
委任状は、陸運支局や車の整備工場などで入手できますが、「車検と車の手続き案内センター」のホームページでも無料ダウンロードできるので便利です。
このように委任状はさまざまな場所で手軽に入手できますが、パソコンなどを使用して自分で書式を作成しても差し支えありません。委任状には以下のような種類はあり、用途によって必要な委任状が異なるので注意が必要です。
- 名義変更、住所変更、氏名変更、車検証再発行、一時抹消登録、新規登録の申請
- 永久抹消登録の申請
- 自動車重量税還付金の受領権限に関する申請
このうち車検で必要な委任状は、名義変更、住所変更、氏名変更、車検証再発行、一時抹消登録、新規登録の申請用です。なお、自分で作成する場合は、記載した手続きの権限を委任するという文言を加えるとよいでしょう。
委任状に必要事項を記入する
委任状は、受注者と委任者の両方の情報が必要となり、以下の事項を記入します。
- 受任者の情報:氏名、住所
- 委任者の情報:氏名、住所、委任者の捨印、委任する年月日、委任する手続きの内容
これらの情報の他に、委任する手続きの内容と自動車登録番号を記入します。なお、通常の車検では、車の所有者の署名があれば印鑑は不要ですが、委任状の場合、印鑑証明書と同一の押印が必要です。
また、記入後に訂正したい箇所がある場合、委任者の捨印での訂正しか認められていないので注意が必要です。
車検を通すか買い替えかで迷っている場合
近年は、低燃費で環境に優しい性能を持ち合わせた「エコカー」がさまざまなメーカーから登場し、人気が高まっています。エコカー対象車であれば、自動車重量税の減税が導入されているのでお得です。
年式や燃費から検討する
現在所有している車の年式が古くても、愛着がある場合は丁寧にメンテナンスを行うことで乗り続けることもできます。しかし、年式や燃費を考慮した場合、買い替えの方がお得なケースもあります。
高額な維持費
年式が古く、燃費が悪い場合は、年式が新しい車に比べてメンテナンスなどの維持費がかかるため、買い替えの検討も必要です。そのため、年間の維持費などにかなり高額な費用がかかるケースもあります。
高額な車検費用
一般的に、年式が古く走行距離が多い車は車検の費用も高くなる傾向にあります。なぜなら、経年劣化による部品交換が必要な箇所が増えるからです。例えば、エンジンの交換が必要な場合、10~100万円程度の費用が相場だと言われています。
税金
近年は、エコカー減税が導入されたことによって、対象車であれば自動車税が大幅に安くなっています。自動車税は、新規登録からガソリン車で13年、ディーゼル車で11年で税額が上がる仕組みとなっており、年式が古くなるほど納税額も上がります。
また、車検のタイミングで納税する自動車重量税については、新規登録から13年と18年で税額が上がります。
買い替えの場合は買取業者の選択が大事
中古車販売店やディーラーなどで買い替える場合、購入金額から下取り価格を差し引いて販売してくれるのが一般的です。しかし、下取り価格によっては、廃車に伴う手数料を下回り、費用を請求される可能性もあります。
このような場合、カーネクストのような買取専門業者の利用がおすすめです。買取専門業者は数多くありますが、カーネクストでは中古車販売店などの下取りでは値がつかないような車でも、0円以上の買取保証を約束しています。また、事故などで走行できなくなった車のレッカーサービスを無料で行っており、査定や手続きの代行手数料も無料です。
これらのサービスは業界トップクラスで、全国対応しているためどの地域に居住していても利用できます。
委任状の準備をして手際よく車検をしよう
車検を受けるタイミングに車検証を紛失したり、ナンバープレートに破損がある場合などは委任状が必要です。通常の車検では委任状を求められることがほとんどないため、委任状が必要になるケースを事前に把握しておくことで、スムーズな車検が実現できます。
委任状は運輸支局の窓口に行かなくても、近隣の整備工場やインターネットからダウンロードできるため、入手しやすい書類の一つです。したがって、代理人に手間をかけないためにも、事前に委任状を準備することが大切です。