車検は、安全に車を使用するために定められた法的な制度で、公道を走るためには一定期間ごとに、車検を更新しなければなりません。車検の更新期間には決まりがあり、普通自動車、軽自動車ともに新車なら初回3年、以降2年ごとに更新が必要です。
初回以降は2年ごとの更新が基本になりますが、10年を超えると車検の事情には変化が見られます。10年以降の車では、車検にどのような違いがあるのか、事情を詳しく知っておきましょう。
10年目以降の車検は1年ごと?
車検では、10年がひとつの目安と考えられることも多く、「10年を超えると更新期間は1年ごとに短縮される」と思っている人も多いのではないでしょうか。車検は、車の安全性と環境への影響を守るための制度ですが、状態の悪い車を走行させないための制度ともいえます。
10年以降は、劣化しているケースも多いことから、1年ごとの更新が必要と思われることが多いです。実際には、どのような基準で車検が実施されているのでしょうか。
10年目以降でも車検は原則2年ごと
車検期間は初回3年、以降2年ごとというサイクルが途中で変更されることはなく、10年目以降の車でも、同様に2年ごとの更新になります。1年ごとの更新が必要とイメージされやすいのは、かつては10年目以降の車は、1年ごとの更新と法律で決められていたためです。
しかし、現行では車検制度は改正されており、10年、20年と乗っても、変わらず更新は2年ごとと一定しています。最近の車は性能が良く、10年以上経過しても問題なく使用できるものも多いです。きちんと手をかけることで長持ちするため、10年以上乗っているという人も増えていることでしょう。
車によって更新期間は違う
10年を超えたからといって、車検期間が1年に短縮されることはありませんが、もともと1年ごとに更新が必要な車もあります。たとえば、バスやタクシーなどの営業車や一部の大型トラックなどは、初回検査時から1年ごとに更新しなければなりません。
1年車検の車が存在しないわけではなく、種類によって車検期間は変則的になることは、理解しておきましょう。また、そのほかの区分の車では、初回2年、以降1年ごとに更新が必要という場合もあります。
ただし「初回3年、以降2年ごと」というのは普通乗用車の決まりで、通勤やプライベートなどの用事でしか車を使わないなら、これだけ覚えておけば問題ありません。
10年目以降の車検費用は高くなる?
車検の更新には費用がかかり、税金や保険料など、絶対に必要な法定費用だけでも数万円はかかります。これは初回検査後の最初の車検でも同じですが、回を重ねるごとに、車検費用が高くなると感じる人も多いでしょう。
方法によって、車検の費用がいくらかかるかは違いますが、基本的には年数がたつごとに、費用は増加する傾向にあります。10年目以降の場合、車検の費用に変更はあるのか、金銭的な事情も把握しておきましょう。
年数と費用は基本的には関係なし
車検にかかる費用は、年数が上がるにつれて高くなる傾向にありますが、実は年数が上がったからといって、必ずしも費用まで上がるわけではありません。初回検査以降初めての車検でも、10年以上使用した車の車検でも、基本的にはかかる費用は同じです。
そのため、10年目以降だからといって、それだけで費用を上乗せして取られるわけではないことは、理解しておきましょう。ただし、10年目以降と乗車年数が長ければ、費用が高くなりやすいことは事実です。年数に応じた上乗せ費用はないものの、別の部分で費用がかかりやすいことも覚えておくとよいでしょう。
メンテナンス箇所が増える分増額
車検はただ検査に出して終わりではなく、保安基準に適合した状態で検査してもらわなければなりません。基準を満たしていないと判断されると、再検査になります。適合と判断されて車検を取得するためには、メンテナンスが必要ですが、10年目以降は劣化が激しくなりやすいので、費用も高く付くことが多いです。
新車登録したばかりの車なら、ほとんどメンテナンスなしで、車検を更新できることも少なくありません。しかし10年目以降の場合は、メンテナンス箇所が多いだけではなく、エンジン周りの高額なパーツの整備、交換が必要になる場合も多いです。
日頃から整備していて問題がないなら、10年目以降でも特別に費用がかかるわけではありません。よって、少しでも車検の費用を抑えたいなら、普段からこまめに手を加えて、丁寧に扱うことが大切です。
13年目と18年目以降は税金が増額
車の状態を良好に保てているなら、10年目以降でも特別に費用は高くはなりませんが、13年目、18年目以降は注意が必要です。13年目以降は、車検時に支払う重量税が増税され、必須の法定費用が値上がりします。
また18年目以降は、さらにもう一段階税金が引き上げられるため、これらの年数を満たす場合は、車検費用は通常よりも高くなってしまうでしょう。
また、13年目の増税は重量税だけではなく、自動車税も関係します。自動車税自体は、車検時に支払うわけではありませんが、保有するコストが上がることは把握しておかなければなりません。13年目以降は増税になる分、どうしても車検のコストが高くなってしまうため、注意が必要です。
10年目以降で車検を通すか迷ったら売却も視野に
10年目以降は、車の劣化具合から車検の費用が高くなりやすく、13年目を迎えると、さらに税金まで増額になります。年数を重ねるほどに、費用は増加する傾向にあるため、出費がかさんで困ると感じる人も多いでしょう。10年目以降の車検で、費用が高くなり過ぎて更新しようか迷うようであれば、売却を視野に入れることをおすすめします。
10年で価値は大幅に減少する
中古車市場では、走行距離や年式が価値判断の基準でチェックされており、特に年式は重要なポイントです。車は使用状況に関係なく、経年によって劣化します。
10年落ちの車だと、中古車市場ではほとんど価値がないものと判断され、大幅に価値が減少します。車検の更新は3年、2年のサイクルなので、9年目の更新で価値が下がる前に売るのもよいでしょう。
カーネクストなら古い車でも買取できる
年式がある程度経過した古い車を売るなら、カーネクストがおすすめです。カーネクストは、どのような車でも0円以上で買取保証をしており、10年落ちになったとしても買い取ってもらえます。車両の引き取りも無料で行っているため、迷っているうちに車検が切れてしまった場合でも、スムーズに売却できるでしょう。
車検費用があまりにも高いようであれば、買取に出して少しでも値段をつけてもらい、新しい車への買い替えを検討することもおすすめです。
参考:カーネクスト
10年は車検更新を考えるひとつの目安
最近の車は性能が良く、10年以上経過しても問題なく使用できるものは増えています。しかし、10年目以降だと車検に費用がかかりやすいのは確かで、このタイミングで処分を考えることもおすすめです。10年をひとつの区切りとして、車検を更新すべきかどうか、よく考えてから愛車の扱いを決めましょう。