車検費用がいくらかは、車の状態や依頼する業者によって異なるので、一概にはいえません。しかし、費用の内訳や、大体の相場は分かります。
この記事では、車検費用の内訳と相場について詳しく解説しています。これから車検を受けようと思っている人は、ぜひ参考にしてください。また、費用を安くするためのポイントも紹介しているので、損をしないためにそちらも押さえておきましょう。
車検費用がいくらかは一概にはいえない
車検費用は、車の種類や状態、また依頼する業者によっても異なるため、一律ではありません。そのため、どこに出すかを選ぶことも重要です。
依頼する業者の選択肢は、「ディーラー」「民間整備工場」「カー用品店」「車検専門業者」「ガソリンスタンド」があります。それぞれに特徴やメリット・デメリットがあるので、何を重視して業者を選ぶかがポイントです。以下に、簡単に特徴をまとめてみました。
業者 | 特徴 |
ディーラー | 整備内容は保障付きなので安心。代車を出してくれることが多いが費用は高めになる |
民間整備工場 | 安くて利用しやすいことがメリットだが、工場によってサービス内容が異なるので、事前確認をしっかるすることが大切 |
カー用品店 | 安くて利用しやすいが、時間がかかることが多い。代車が出ないこともある |
車検専門業者 | 安くて速いことが特徴だが、整備内容は必要最低限のことのみ |
ガソリンスタンド | 近所にあれば気軽に預けられて便利だが、時間が長くかかる傾向があり、代車が出ないことも多い |
これらの特徴を踏まえ、利用者が多いディーラーとカー用品店の大体の費用の目安を紹介します。
- ディーラー:軽自動車は約70,000円、1500ccクラスのコンパクトカーは約10万円
- カー用品:軽自動車は約50,000円、1500ccクラスのコンパクトカーなら約70,000円
ただし、上記の金額はあくまでも目安であって、車のコンディション等によっても費用は変わります。
車検費用の違いは何によるものか
なぜ車検費用に違いが出るのか、その理由は車の種類、車検を依頼する業者、車の状態の違いに秘密があります。それぞれの違いについて、一つずつ解説していきます。
車の種類の違い
車検には、法定費用がかかります。法定費用とは、法律によって定められているもので、費用は一律です。しかし、車の種類によって金額が異なります。車の種類別の費用の違いは、以下の通りです。
車種 | 法定費用 |
軽自動車 | 30,000円 |
小型の普通自動車(~1,000kg) | 45,000円 |
中型の自動車(~1,500kg) | 50,000円 |
大型の自動車(~2,000kg) | 60,000円 |
上記の費用は非課税で、どこで車検を受けても、基本的に費用が変わることはありません。ただし、エコカー減税や13年経過車などにより、費用が10,000円前後変わるので、車検証を見て確認しましょう。
車検を依頼する業者の違い
車検にかかる費用には、定期点検料、測定検査料、車両の整備料金、代行手数料などの「サービス料」も含まれています。さらに、人件費が含まれていることも、業者によって費用に違いが出る理由です。これらの「業者の取り分」が異なるので、結果として車検費用も違ってきますが、業者の中で一番高いのは、ディーラーです。
ディーラーの車検費用が高くなる理由は、「整備士・営業・総務・販売員などの人件費が高いこと」と「純正品の新品の部品を使用すること」が、主な理由として考えられます。逆にいえば、「専任スタッフの深い知識と技術がある」「万全な整備を行う」ことが、ディーラーの強みで、その分、費用は高くなります。
車の状態によるもの
車が古かったり、メンテナンスを怠り車の状態が悪かったりすると、部品交換や整備が必要です。どのような状態かにもよりますが、例えばディーラーに車検に出して部品交換をした場合は、新品の純正品を使用するため、費用は割高になります。
一方で、民間の整備工場やカー用品店では、新品の純正品ではない部品を使用するので、比較すると費用は安いです。そのため、車の状態が悪く、整備や部品交換が必要になるほど、費用に差が出ます。
車検にかかる費用の内訳
車検にかかる費用は、大きく分けて「一定の金額がかかる法定費用」と「業者によって異なる車検費用」です。それぞれの詳細を確認していきましょう。
一定の金額がかかる法定費用
法定費用は、車の種類によって金額に違いがあるものの、法律によって一定の金額が定められています。その金額の内訳を見ていきましょう。
自動車重量税
普通自動車の自動車重量税は、エコカー減税の施工によって、非常にわかりづらくなってしまいました。しかし、WEB上に「自動車重量税計算ツール」という、無料で自動車重量税を計算できるツールがあるので、簡単に確認できます。
軽自動車は、実際の車両重量に関係なく、一律で税額が決められています。しかし、条件によって金額が増減することに注意が必要です。条件による自動車重量税額の違いは、以下のようになります。
条件 | 自動車重量税額 |
エコカー減税適用 | 免税~2,500円 |
エコカー | 5,000円 |
本則税率(13年未満) | 6,600円 |
エコカー以外(13年超) | 7,800円~8,200円 |
エコカー以外(18年超) | 8,800円 |
ちなみに軽自動車も、無料で簡単に自動車重量税額を計算できる「重量税計算ツール」があるので、活用してみましょう。
自動車損害賠償責任保険
略して「自賠責保険」といわれている自動車損害賠償責任保険は、すべての車に加入が義務付けられています。車検に通すためには、車検証の有効期限を満たす自賠責保険でなければなりません。そのため、自賠責保険の有効期限は、車検証の有効期限よりも、1日多くする必要があります。
なお、万が一、車検と自賠責保険が切れた状態で車検を受ける場合、新しく加入する自賠責保険の保険期間は、25カ月で加入する必要があります。自動車の種類や保険の加入期間によって、金額が違うことに注意が必要です。自賠責保険料の金額は、以下の表を参考にしてください。
自賠責保険の加入期間 | 軽自動車 | 普通自動車 |
24カ月 | 25,070円 | 25,830円 |
25カ月 | 25,880円 | 26,680円 |
検査手数料
普通自動車と軽自動車を分けて、検査手数料を説明します。まずは、普通自動車の場合ですが、陸運局「運輸支局」に支払います。小型自動車と小型自動車以外では、金額が違います。さらに持ち込みか、ネットで申請可能なOSS(自動車保有関係手続のワンストップサービス)申請、または窓口での申請かでも金額は違ってきます。金額については、以下の表を参考にしてください。
車種 | 内容 | 検査手数料 |
小型 | 持込 | 1,700円 |
OSS申請 | 1,000円 | – |
窓口での申請 | 1,200円 | – |
小型以外 | 持込 | 1,800円 |
OSS申請 | 1,000円 | – |
窓口での申請 | 1,200円 | – |
一方で軽自動車の検査手数料は、検査印紙代として印紙を購入し、軽自動車検査協会に支払います。手数料は以下の通りです。
車種 | 車検を行う業者 | 検査手数料 |
軽自動車 | 指定工場 | 1,100円 |
認定工場 | 1,400円 | – |
業者によって異なる車検費用
法定費用の部分は、どこで検査を受けても料金は同じですが、そのほかにもかかる費用があります。業者によって車検費用が異なるのは、「車検基本料」「予防整備および依頼整備費用」「事務手数料」によるものです。それぞれの費用について解説していきます。
車検基本料
法定費用と違い、車検基本料はそれぞれの業者によって異なります。車検基本料に含まれている内容は、点検整備代(24カ月点検)、代行手数料、検査代などです。点検整備により、部品交換や消耗品交換が必要になった場合、お店によって部品や消耗品の価格が違ったり、業者によっては付帯するサービス料金が含まれていたりするため、費用に差が出ます。
例えば、24カ月点検をディーラーで行った場合、軽自動車で16,200円、1500ccクラスのコンパクトカーで21,600円、2500ccクラスのミニバンで29,160円が目安です。しかし、カー用品店では、12,800円程で行うところもあります。
予防整備および依頼整備費用
必須となっている整備項目は、あくまでも必要最低限の項目なので、より安全性を高めるためには、予防整備および依頼整備をすることが必要です。ただし、整備工場は法律の規定により、予防整備や推奨整備項目として、見積を出すことが義務付けられているので、勝手に修理されることはありません。
例えば、エンジンオイルやバッテリー、ブレーキパッド、ブレーキオイル、サイドスリップなどの交換や補充などがあげられます。これらは、基準値を満たしていれば交換や補充の必要はありませんが、いずれ交換するのであれば、車検と一緒に行ったほうが効率がよく、安全性も保たれます。
事務手数料
事務手数料は、車検代行手数料のことです。いわゆる人件費で、この事務手数料も車検を出す場所によって、費用に開きがあります。一番高いのは、専任スタッフがいるディーラーです。
例えば、ディーラーに依頼すると、車検基本料に加えて事務手数料として10,800円程が必要です。しかし、カー用品店では、車検基本料の中に事務手数料を含んでいるところもあり、ディーラーと比べると全体的に割安になります。
業者別車検費用の相場
業者別の車検費用の相場をまとめました。結論からいうと、費用が一番高いのはディーラーで、一番安いのはガソリンスタンドです。以下の表を見て、相場を比較してみましょう。
業者 | 車検費用の相場 |
ディーラー | 75,000~13万5,000円 |
車検専門店/ 民間整備工場 | 60,000~11万5,000円 |
ガソリンスタンドやカー用品店 | 55,000~10万5,000円 |
車の状態などにより車検費用が変わるので、上記はあくまでも目安として参考にしてください。確実に比較をしたい場合は、各業者に見積もりを取りましょう。
車検費用を安くするためのポイント
車検費用は決して安くはありません。少しでも車検費用を安くしたいなら、押さえておきたいポイントが3つあります。これらが、車検費用を安くするためにどのように役立つのかを、これから説明していきます。
日頃からメンテナンスを怠らない
古い車に乗り続けている人や、日頃のメンテナンスを怠っている人は、交換部品が多くなります。車検費用が高くなる理由の一つが、交換部品によるものです。
交換する部品が減ると、その分費用は安く済むため、メンテナンスで部品の劣化を避けることは大切です。また、日頃メンテナンスをしていることで、安心して車に乗り続けられるというメリットもあります。
見積もりを確認して不要な作業を断る
費用を安くするためには、まず相場を知ることが大切なので、必ず数社に見積もりを依頼しましょう。一括見積など、インターネットを利用して簡単に複数社の見積もりが取れるので、それほど大変な作業ではありません。
また、見積もりを取ることは相場を知ること以外に、車検の内容を確認できることもメリットです。見積もり内容を確認し、下回り塗装、スチーム洗浄など不必要に思う作業があれば、断ることで費用は安くなります。
下回り塗装の費用は5,000円前後で、きれいにすると検査員が見やすくなるということはありますが、しなくても車検は通ります。ただし、雪国などで融雪剤をまいた道の上を走ることが多い場合は、錆びやすくなるので、錆び防止として下回り塗装をしてもらうことはおすすめです。
スチーム洗浄も、しなくても車検には通ります。費用は4,000~7,000円程かかるので、どうしてもきれいにしたいということでなければ、費用を削減できます。
ユーザー車検をする
ユーザー車検とは、車検を自分で行うことですが、法定費用の部分だけで済むので、費用が安くなります。ただし、ユーザー車検を行うなら、整備や点検の知識が必要なので、一般的には車検を行う各業者に依頼するケースがほとんどです。
逆にいえば、整備や点検の知識があれば、ユーザー車検は費用がかなり安く済みます。ディーラーで車検を受けた場合と比べると、車の状態にもよりますが、60,000円以上安く済むのでお得です。
車検費用が高い場合は買い替えも検討する
車検費用についての知識が増え、安くするポイントも押さえたものの、それでも車検費用が高いと感じることもあるでしょう。その場合は、買い替えを検討するという選択肢もあります。買い替えを検討する場合は、以下の項目について知っておくとよいです。
早めに相談すれば高く売れる
車が古かったり、状態が悪かったりした場合は、車検費用が高くなることもあります。その場合、思い切って車を買い替えてしまうこともおすすめです。
車は日々価値が下がっているので、早く売却することで高く売れます。高く売れたら、その分を新しい車を買う資金に充てることも可能です。また、状態が悪く車としての価値がなかったとしても、部品を買い取ってもらえることもあるので、買い替えを検討しているなら、まずは買取業者に相談してみましょう。
買取業者はカーネクストがおすすめ
車の買い替えなら、カーネクストに相談しましょう。カーネクストは廃車も買い取ってくれる業者で、0円以上の買取保証で、レッカー・書類代行・査定のすべてが無料です。
世界中で販売していて販路が広いので、0円以上の買取保証や高価買取を可能にしてくれます。他社よりも20万円も高く売れたということもあるので、まずは気軽に相談してみましょう。古い車や状態が悪い車でも、相談可能です。
参考:カーネクスト
車検費用は車の状態や車検の受け方で異なる
車検費用は、古い車や状態が悪い車の場合は高くなってしまいます。また、どの業者に依頼するかによっても費用に差が出るので注意が必要です。安く済ませたいと思うなら、複数社に見積もりを取って比較し、見積内容をきちんと確認して、無駄を削減することがポイントになります。
ただし、車の状態が悪いと車検費用を安くすることは難しいので、場合によっては買い替えをすることも一つの手段です。車は日々価値が下がっていくので、買い替えを検討する場合は、早めに買取業者に相談しましょう。