我が子のように、あるいは恋人のように大切にしている愛車をドレスアップさせて楽しむことは、日々のカーライフを充実させ、生活を豊かにします。とは言え、いかに愛着がある車であっても、華美な装飾に走りすぎると、時に周囲の車や歩行者の安全を脅かしかねません。
もちろん、保安基準に適合した範囲内のカスタマイズでなければ、車検をクリアすることができないといったリスクもあります。この記事では、車検に際して注意が必要となる、車の突起物にフォーカスをあててみました。
車検における突起物の検査基準
基準に適合していない車は、当然のことながら公道を走らせることができません。対象となる突起物の基準を把握して、車検通過の妨げにならないようにしましょう。
平成21年1月1日以降につくられた車に適用
自動車と人との接触等により人が負傷する危険性を減らすことを目的として、道路運送車両の保安基準の細目を定める告示( 平成14年国土交通省告示第619号)が定められました。この告示によると、自動車には「鋭い突起」となるパーツを取り付けてはならないと規定されています。
法令に適合しない部品を取付けていると、車検に合格しない場合もあるので、エクステリアに純正パーツ以外の部品を使っている場合は注意が必要です。適用対象となる車は、平成21年1月1日以降の製造で、乗車定員が10人未満の車となっています。
対象となる突起物の基準
対象となる突起物とは、曲率半径が2.5mm未満の形状であり、車体から突き出ている部分が5.0mm以上のものです。また、突起物があってはいけない範囲にも規定があり、フロアラインより上から地上2.0mまでの範囲に、それらが取り付けられていてはいけません。
とはいえ、車のエクステリアにはさまざまなパーツがあります。突起物とみなされないパーツとしては、サイドミラー、ホイールの回転部分、牽引フック、アンテナのシャフト(アンテナの先端部分は除く)、ワイパー、グリルなどです。グリルについては、格子のすき間が40mm以下のグリルに限られ、40mmを超えるグリルには突起物があってはいけません。
特に注意が必要な突起物としては、以下のようなものが挙げられます。自分の車にこれらの装備品や装飾品が無いか、よく確認してみましょう。
- 端部にゴムカバーが無いルーフキャリア
- 2m以下の位置にあるバックカメラ
- 倒すことのできないボンネットマスコットやエンブレム
- ボンネットピン
- ダイバシティアンテナの基部が2m以下の位置にあるTVアンテナ
車検で注意が必要な突起物
ここからは、特に注意が必要となる突起物に的を絞って、詳しく見ていきましょう。高価だったあのパーツも、実は保安基準に適合していなかった、ということがあるかもしれません。
5ミリ以上突出したボンネットピン
ボンネットピンは、風圧でボンネットが飛ばされないように固定するための部品です。市販されている普通自動車には取付けられていることはほとんどなく、一般的な車の構造においては不要なパーツです。
しかし、軽量化のために、ボンネットフードを薄く軽量なFRPやカーボン製のものに交換した場合、走行中にボンネットが風圧で開いてしまう恐れがあります。事故防止のためにボンネットピンを取り付ける場合もあるでしょう。
法令改正前に取り付けたボンネットピンで、パーツのエッジの曲率半径が2.5mm未満の場合、車検が通らないこともあるかもしれません。ただ、最近のフラットタイプであれば、まず問題はないでしょう。
車の上に取り付けるルーフキャリア
冬場はスキー用品、夏場はキャンプ用品やマリンスポーツの道具を入れて持ち運ぶのに大活躍のルーフキャリア。このルーフキャリアを車検時にどうするか、悩まれることも多いでしょう。実はルーフキャリアについても突起物に係る法令に適合している必要があります。
基本的には取り付けたままでも車検は通るのですが、がたつきがあったり、中古品や破損している古い製品を使っている場合は特に注意が必要です。とは言っても、鋭い突起が無く、車両や人の交通の安全を妨げる恐れのないものであれば、概ね車検は通ります。
ルーフキャリアを製造・販売している各社のホームページを調べてみると、各メーカーで法令改正への対応を行っていることがわかります。自分のルーフキャリアが対応品かどうか、車検前に一度確認しておきましょう。
バックカメラのステー部分
リアビューカメラの取付位置や取付方法にも注意が必要です。保安基準では、直径10mmの球体が接触する範囲に鋭い突起物があってはならないので、カメラの周囲半径約100mmの平坦な面に装着する場合、カメラステー部分が基準に抵触する恐れがあります。
ステー部分をむき出しにしないよう、リアスポイラーやリアガーニッシュの下面に装着することで、基準に適合させるようにしましょう。
エンブレムやボンネットマスコット
ボンネットに立体エンブレムやマスコットを取り付ける人も多いでしょう。自分だけの特別な一台という思い入れのある車両の場合、オリジナリティーの追求には欠かせないアイテムです。しかし、これも突起物として扱われる可能性があるので注意しましょう。
ボンネットの前方中央に堂々と立ち、その車格を表すかのような存在感あるパーツではありますが、ジャガーやメルセデス・ベンツなどでも、新しい車両からは姿を消しています。ルセデス・ベンツなどの可倒式や、ロールス・ロイスの格納式などの場合、または平成20年12月31日までに登録された車に取り付けられている純正品については対象外です。
車検を通すか買い替えかで迷っている場合
長年乗り続けてきた愛車の場合、自動車重量税や修理・整備費用が高額になることもあります。車検を通すよりも、新車買換えの良い機会と考えるのも、ひとつの選択肢です。
年式から選択
車検費用を構成する費目はさまざまですが、自動車重量税も大きなウエイトをしめる費用のひとつです。1トン以下の車の場合を例にとると、新規登録から13年目までは1万6,400円でが、それ以上の年数が経過した車になると、2万2,800円にまで値上がりします。
自動車重量税は排気量によって納税額が決められているので、排気量が大きい車の場合は、この差額も大きくなってしまいます。そして、エコカー減税対象車でない場合は、さらに税金の負担も増えます。
車検費用を左右するのは税金ばかりではありません。大切に乗り続けてきた愛車でも、節目の13年目を迎えると、細かな部分で整備が必要になってきます。一般的に、年式の古い車は整備の際の修理、部品交換費用が高くなるため、それだけ維持費もかかるものです。
買い替えの場合は買取業者の選択が大事
もし、車検を通さずに買換えを行うのであれば、少しでも高値で買い取ってもらうことが重要となります。中古車の買取を行っている業者はさまざまありますが、買い取り業者のサービスの質と親切な対応は大切な選定ポイントのひとつ。
数ある業者の中でも「廃車予定の愛車も0円以上買取保証!」「査定は無料!」「世界中で販売!」を売りにしているカーネクストがおススメです。事故車、水没車、故障車などはもちろんのこと、車検間近のあなたの車も高値で買い取ってくれるでしょう。
海外に独自の販売ルートを確保しており、日本では値段が付かないような車両も取扱いができるほか、車の査定、レッカー車の⼿配、書類代行がすべて無料です。車検を前にして買換えを検討しているなら、ぜひカーネクストの査定を試してみましょう。
突起物に注意して車検を受けよう
法令改正で、車に取り付けるパーツやアクセサリーの基準は厳しくなりました。それも、すべては周りの車と歩行者の安全、すなわち快適な車社会の実現のためです。長く乗り続けた愛車と、これからも大切にお付き合いしていくために、突起物の大きさに注意して車検を受けましょう。