車に乗り続けるためには、継続して車検を受けなければなりませんが、不動車の場合は更新できずに困ることも多いでしょう。不動車は動かない、または動かせない車で、業者に持ち込んだり検査場に運んだりするだけでも苦労します。今回は、不動車になった場合、車検はどのように対応すべきか、上手な対処法について詳しく紹介します。
車検が切れてしまった車は仮ナンバーを取得
車検切れだと、公道の走行が法的に禁止されるため、不動車となります。車検を更新するためには、公道を走って業者や検査場に持ち込まなければなりませんが、そのための走行でも禁止されているため、注意が必要です。車検切れで不動車になった場合は、仮ナンバーを取得して対処する方法があります。
仮ナンバーとは、数日間の有効期限付きで発行されるナンバーのことで、これを取得していると車検切れの状態でも一時的に公道を走れます。しかし、仮ナンバーの発行には申請が必要で、有効期限もその時々で若干異なるので気を付けましょう。
大体3~7日で、発行してから素早く車検を更新しなければなりません。仮ナンバーは一時的なもので、有効期限内に返却が必要です。返却しないと処罰の対象になり、罰金が科せられることもあることは覚えておきましょう。
仮ナンバーの取得方法
車検切れになったからといって、自動的に仮ナンバーが発行されるわけではありません。仮ナンバーを発行してもらうためには、自身で申請する必要がありますが、手続きの場所や方法は決まっています。どこで手続きをするのか、必要なものも含めて知っておきましょう。
申請に必要なものをそろえる
仮ナンバーを取得するためには、事前に書類と手数料の2つが必要です。これらを用意していないと、発行してもらえず、再度出直しとなって手間がかかるため注意しましょう。必要なものを把握し、事前に揃えておくことでよりスムーズに手続きが進められます。
仮ナンバー取得に必要な書類
仮ナンバーを発行してもらうためには、以下の書類が必要です。
- 運転免許証
- 認印
- 自賠責保険証の原本
- 車検証
車検証は、当然期限切れで構いませんが、自賠責保険証の期限には注意が必要です。原本を用意することはもちろん、自賠責保険証は有効期限の残っているものを提出しなければなりません。こちらは期限切れになっている場合、事前に更新が必要です。
仮ナンバーとはいえ公道を走行するためには、自賠責保険には必ず加入しなければなりません。自賠責保険は、車検期間を丸ごとカバーする期間で加入しています。そのため、車検切れからしばらくすると、自賠責保険の有効期限も一緒に超過していることが多いです。
1カ月分だけでも事前に更新が必要ですが、すぐに車検を受けるなら、25カ月加入で、後の加入手続きを省略してもよいでしょう。
申請に必要な手数料
仮ナンバー取得の手数料は自治体ごとに違い、一定ではありません。しかし、大体の場所で750円のため、基本的にはこの金額と考えて問題ないでしょう。1,000円前後で申請できますが、発行時には最低限の現金は持ち合わせておかなければなりません。
また、申請手数料自体は安いですが、返却期限を超過した場合の罰金は、高額になることも多いです。1,000円もかけずに申請し、罰金で数万円取られることもあるため、返却期限は遵守しましょう。
最寄りの役所で申請を行う
仮ナンバーの申請は、最寄りの市区町村の役所で行います。車検関係の手続きは、運輸支局や軽自動車検査協会が多いのですが、仮ナンバーに関しては申請場所が異なるため、注意しなければなりません。また、仮ナンバーの申請が目的でも、当然、車検切れの車を使って役所に行くことは禁じられています。
仮ナンバーは、取得して取り付けた時点で効力を発揮するため、役所には車検切れの車以外の手段で行かなければなりません。不動車で行ってすぐに取り付けるなど、手間を省きたい人もいるかもしれませんが、これは違法行為に該当するため注意しましょう。
不動車の場合の車検を受ける方法
仮ナンバーを発行し、自身で車を運転して車検を更新することは、方法の一つでしかありません。不動車で車検を受けるための方法は、ほかにもあります。方法によって特徴やコストも異なるため、違いを知って最適な方法で車検を受けましょう。
ローダー車を利用する
レッカーを依頼し、ローダー車を使って車を運搬することは、不動車で車検を受ける一般的な方法です。車を運搬してもらう場合、移送先は業者か検査場のどちらかです。未整備状態で車検切れなら、整備工場やディーラーといった業者に、整備済みで車検が切れているだけなら、検査場に運んでもらいましょう。
ローダー車は、4t程度のトラックでも運搬できるため、一般的な乗用車ならほとんど問題はありません。費用は、業者や運搬する距離によって違いますが、10,000円以上かかることが普通です。ただし場合によっては、20,000~30,000円といった高額請求になる場合もあるため、利用先は慎重に選定しましょう。
出張車検を依頼する
業者によっては「出張車検」というサービスも実施しており、これを利用することも一つの手です。出張車検とは、簡単にいえば業者が車を引き取りに来て、持ち帰って車検を更新してくれるサービスです。
出張車検といっても、その場で車検を更新してくれるわけではないため、多少時間がかかることは理解しておきましょう。出張車検は便利ですが、その分費用が高くつくことも少なくありません。業者で提供している通常料金に上乗せして、出張費が付くこともあるため、見積もりは必ず取っておきましょう。
また、出張車検は車検更新だけを目的としており、点検や整備は必要最低限ということも多いです。車検は更新できても、車の品質には不安が残ることも多いため、心配なら別口でメンテナンスも考えましょう。
事故車の場合や処分も検討
車検切れで法的に動かせない車を「不動車」といいますが、それだけではなく、事故によって故障して物理的に動かせない車も不動車です。同じ不動車でも、事故車の場合は扱いに注意が必要です。事故車なら、車検更新より処分を考えたほうがよい場合も多く、コストを見て決めなければなりません。
車検を更新するためには、最低限保安基準を満たす整備が必要です。事故車の場合は故障箇所が多いため、整備にかかる手間やお金も増えやすく、コストが高額になることも少なくありません。費用が高いなら、無理に車検を通すよりは、処分して買い替えたほうがお得になることもあります。
損傷の程度が軽微なら、直して乗り続ける方法もありますが、損傷が激しかったり、そもそも車が古かったりするなら、買い替えも検討しましょう。
不動車の場合は廃車買取業者がおすすめ
車検の更新はせず、手放すことを考えるなら、廃車買取業者がおすすめです。不動車はディーラーや中古車販売業者では安値でしか買い取ってくれないことが多く、全く値が付かないことも少なくありません。しかし、廃車買取業者なら、優れた条件で買い取ってくれることも多いため、状態が悪い場合こそ、こちらを利用するのがおすすめです。
動かない車でも高額買取が期待できる
廃車買取業者がおすすめな理由は、不動車でも好条件で売却しやすいためです。ひとくちに不動車といっても、車検切れなのか、故障によって動かせないのかという違いはありますが、廃車買取業者は両方に対応しています。
これは、車としての機能が残っていなくても、部品や素材単位で評価するためです。仮に、完全に故障して動かなくても、細部から価値を見出せるため、不動車でも高額査定が期待できる場合もあるでしょう。
買取業者はカーネクストがおすすめ
カーネクストは、不動車や故障車の買取も積極的に行っており、どのような車でも0円以上で買取保証をしています。ボロボロで一見使い道がないように見える車でも、何らかの価値を見出して買い取ってくれるため、損はないでしょう。
また、引き取りのサービスも充実しており、レッカー代や廃車手続きの代行手数料は全て無料です。不動車は業者に運ぶまでが手間で、通常なら移送の費用を請求されることも少なくありません。しかし、カーネクストならこれが完全無料で、コストをかけずに手放せることは大きな魅力でしょう。余計な費用をかけず、確実に資金化したい人におすすめの業者です。
不動車でも車検は受けられるが状態によっては処分も検討
動かない、動かせないどちらの場合の不動車でも、方法次第で車検は受けられます。しかし、不動車の場合、必ずしも車検を受けることが正しい選択とはいえません。
場合によってはコストが高くつき、損をすることもあります。不動車の場合は処分も検討し、よりお得なほうを選び、愛車との今後の向き合い方を考えましょう。