車検の正式名称は「自動車検査登録制度」といい、国土交通省が定める保安基準を満たしているかどうか確認する制度です。道路運送車両法において、受けることが義務づけられていますが、一言で車検といっても、車の重量などによって費用も異なります。
ここでは、普通車の車検費用や内訳と共に、排出ガスや燃費が環境に優しいエコカーを対象にしたエコカー減税について詳しく見ていきましょう。
普通車の車検費用の内訳と相場
車検をクリアすることである程度、安全な走行を保証できますが、車検切れで放置した場合には罰則が設けられています。そんな車検にかかる費用について、詳しく見ていきましょう。
重量税の金額
車検の費用は、大別すると車検基本料と法定費用から成り立っており、経年劣化などを理由に部品の交換が必要な場合は、これらの費用にプラスして部品交換費用が必要です。
法定費用は、自動車重量税・自賠責保険料・検査手数料を組み合わせた費用で、一律の金額が設定されています。自動車重量税については、車の重量に合わせて0.5tごとに課税される金額が増えていく仕組みとなっています。
例えば2~2.5tの普通車では、25,000円の重量税が課税されるのが一般的です。普通車の中でも1.5~2tのコンパクトカーでは、20,000円の重量税が課税されます。
自賠責保険の保険料
自賠責保険の正式名称は自動車損害賠償責任保険といい、自動車を所有する場合には必ず加入しなければならない保険です。自賠責保険への加入は、自動車損害賠償保障法によって義務づけられているため、任意保険と差別化する意味で強制保険と呼ばれています。
自賠責保険は一般的に車検期間分加入することになっており、新車以外の車検は2年に一度という頻度で車検を受ける必要があるため、普通車の保険料は24カ月契約の25,830円です。
検査手数料の金額
国土交通省が主体となっている車検は、検査にかかった費用を国に対して検査手数料という名目で支払う仕組みとなっています。検査手数料は、現金ではなく印紙を購入して支払うため、印紙や証紙代とも言われています。
検査手数料は、自動車重量税と同様に、以下のように車の重量に応じて金額が異なります。
- 小型自動車=1,700円(印紙400円+証紙1,300円)
- 小型自動車以外の自動車=1,800円(印紙400円+証紙1,400円)
車検基本料は依頼する業者によって異なる
車検基本料は、24カ月定期点検料・測定検査料・車検代行手数料を組み合わせた費用で、一律の金額が設定されている法定費用とは異なり、車検を依頼する業者ごとに金額が設定されています。
車検基本料には車検に携わる人件費が含まれるため、依頼するディーラーやカー用品店によって金額が異なります。また、自分で車検を行うユーザー車検と違い、車の所有者に代わって手続きをすることから、代行手数料が含まれている場合もあります。
整備が必要な場合には部品交換費用がかかる
車検は公道を安全に走行できることを目的としているため、国土交通省が設定した保安基準を満たすことが必須です。点検の結果、部品の劣化やオイルの漏れ等が発覚した場合、整備や部品の交換が必要となり、部品交換費用がかかります。
この金額は車のコンディションによって異なりますが、一般的に年式が古く走行距離が長いほど高くなる傾向にあります。
エコカー減税で税負担が軽くなる
エコカー減税とは低排出ガス車認定制度のことを指しており、国土交通省が一定の燃費基準をクリアした車をエコカーと認定し、自動車重量税などが軽減される特例措置のことをいいます。
エコカーと認定された車を購入した場合、自動車取得税がエコカー減税の対象となることに加えて、車検時の自動車重量税の負担が軽減されます。具体的には、電気自動車やハイブリッド自動車が挙げられますが、CO2排出量の少ないクリーンディーゼルエンジンを搭載した車も該当します。
この制度は2009年の税制改正から導入されましたが、およそ10年経った現在ではエコカーが普及し、減税の対象者が増えている状態です。そのため、近年では減税の対象となる基準が厳格化し、購入当初は減税の対象となっていても、次回の車検時には対象外となる可能性もあります。
車検を通すか買い替えか迷っているなら
車検の費用は、年式が古く走行距離が長いほど高くなるのが一般的なため、手放したほうがお得な場合もあります。所有している車の年式が古い場合、車検を時期を機会に、古い車に乗り続けるのか、または買い替えて新しい車に乗り換えるのかを検討してみましょう。
それぞれのメリットとデメリットを考えてみよう
古い車に乗り続ける場合、車検の費用しかかからないため、買い替えよりも費用は安く済む一方で、経年劣化に伴ってメンテナンス費用がかかるリスクがあることに加えて、中古車市場での価値が下がります。
買い替えて新しい車に乗り換える場合、車検を通す必要がないため、車検費用がかかりません。また、新しい車に乗れることや中古車市場での価値は年式が新しいほど高くなりやすいといえるでしょう。しかし、新しい車を購入するための費用がかかり、買い替えに伴う手続きが必要なことはデメリットとして挙げられます。
このように、それぞれにメリットとデメリットがあるため、自分にとってのメリットを考慮した上で検討する必要があるといえます。
買い替える場合は最適な買取業者を選ぼう
買取業者は数多いため、どの業者に買取を依頼すれば良いのか迷いがちです。また、買取価格は業者によって異なるため、複数の業者に査定を依頼して最適な業者を見つけることが大切です。
カーネクストは、廃車同然の車や事故車等どのような状態の車でも買い取ってくれる業者で、0円以上の買取保証が魅力の一つです。
車の故障で業者まで移動できない場合でも、無料でレッカーを手配してくれるだけでなく、廃車手続きに関する書類代行や査定が全て無料です。
参考:カーネクスト
費用の目安を把握して車検に備えよう
普通車の車検費用は7~11万円程度かかると言われていますが、整備や部品の交換が必要になれば、それ以上の費用を準備しなければなりません。また、年式が古く走行距離が長いほど車検費用が高くなるため、長い目で見るとエコカー減税対象者に買い替えた方がお得かもしれません。
また、車検を通して古い車に乗り続ける場合でも、自分で車検を行うユーザー車検を受けることで、車検基本料の部分にかかる負担を抑えることができます。
車検の費用の目安を事前に把握して、車検を受けて乗り続けたほうがよいのか、それとも手放したほうがお得なのか、メリットやデメリットも考えながら検討しましょう。